営業利益7.0%減
阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)の2026年3月期連結決算は、売上高6,802億円(0.2%減)、営業利益323億円(7.0%減)と、減収減益での着地となりました。
好調だった前年から一転し、百貨店事業の苦戦が全体を押し下げる格好となっています。
1. 百貨店事業のブレーキ要因:インバウンドと改装
主力の百貨店事業が減益となった主な要因は2つあります。
- インバウンド需要の反動: 前年の爆発的な需要の反動に加え、2025年後半からの中国客の減少が直撃。免税売上高は19.9%減と大きく落ち込みました。
- 阪急うめだ本店の改装: フラッグシップである梅田本店の「リモデル」に伴う売り場閉鎖が、一時的な減収要因となりました。
一方で、国内の富裕層によるラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などの高額商材への意欲は依然として堅調であり、国内顧客の底堅さが支えとなっています。
2. 食品事業は「利益100億円」の大台へ
百貨店が苦戦する一方で、スーパーなどを展開する食品事業は好調です。
既存店の売上が堅調に推移し、セグメント別の営業利益で初めて100億円を突破。
百貨店の落ち込みをカバーする第2の柱として存在感を高めています。
3. 次期見通し:改装効果による「V字回復」へ
2027年3月期は、売上高7,120億円(4.7%増)と増収に転じる見通しです。
- 改装効果の最大化: 完了した阪急うめだ本店の改装効果により、売上の押し上げを狙います。
- コスト増への懸念: 人件費の上昇や、不透明な中国インバウンド動向を慎重に見込んでおり、利益面では微増に留まる計画です。
■エイチ・ツー・オー リテイリング 2026年3月期連結業績
売上高:6802億1500万円(前期比0.2%減)
営業利益:323億8600万円(同7.0%減)
純利益:299億5000万円(同14.0%減)
【ひとこと解説】
今回の決算は「想定内」の減益とも言えます。インバウンド依存からの脱却と、国内の優良顧客をいかに囲い込むか。
さらに人件費などのコスト上昇をどう吸収するかが、次期の焦点となります。
経営者の皆さん、百貨店の動向は「国内消費のバロメーター」です。
インバウンドに頼りすぎない「国内富裕層の底堅さ」は、自社のターゲット戦略にも参考になるかもしれません。





