【決算考察】ZOZOが描く2030年への青写真と「脱・ECモール」の決意


商品取扱高は6,660億円と過去最高を更新

先日、ZOZO(ゾゾ)の2026年3月期連結決算が発表されました。

商品取扱高は6,660億円と過去最高を更新。改めてその規模感と成長性に驚かされますが、今回の発表で最も注目すべきは、同社が初めて公表した「中期経営計画」にあります。

一経営者として、今回のZOZOの動きから見える「攻めの戦略」を読み解いてみたいと思います。

1. 過去最高を更新しつつ見えた「グローバルの壁」

数字だけを見ると、EBITDAや純利益も過去最高を更新しており、極めて堅調です。

ただ、商品取扱高が計画をわずかに下回った要因に注目です。

それは、英国を拠点とする「LYST(リスト)」の苦戦。ラグジュアリー市場の不調や米国関税の影響など、グローバル展開の難しさが浮き彫りになりました。

一方で、国内のZOZOTOWN事業は購入者数が1,300万人を突破。

WEB広告だけでなく「友達紹介キャンペーン」などの泥臭い施策もしっかり効かせてくるあたり、さすがの実行力です。

2. 「ニアファッション」への進出が示す、ZOZOの真の狙い

今回の中計で私が一番唸ったのが、「ニアファッション」という概念です。

ZOZOは2030年に向けて、単なる服の販売(モアファッション)だけでなく、スキンケア、ヘアサロン、フィットネスといった周辺領域へ本格参入します。

  • キーワードは「消費体験の拡張」 服を買うユーザーが次に求める「美」や「健康」をまるごと取りに行く。その第一手として、香りのサブスク「カラリア」の買収を掲げた点は、非常に戦略的です。

3. AIエージェント「ラボくん」への期待

澤田社長が「悲願」とまで語った、LINE上でのAI接客「ラボくん」。

今後は「AIエージェント」が買い物を代行・提案する時代が来ます。

ZOZOはそれを他社に明け渡すのではなく、自社でファッション特化型AIを構築し、ユーザーの「似合う」を独占しようとしています。

これはプラットフォームとして生き残るための、極めて重要な一手になるでしょう。

4. まとめ:ZOZOはどこへ向かうのか

ZOZOは今、「服を売る場所」から、「自分磨きをトータルでサポートするパートナー」へと進化しようとしています。

2030年の目標利益(調整後EBITA)900億円。

国内の盤石な基盤を「ニアファッション」へ横展開し、苦戦するグローバルをAIで立て直す。

この壮大なロードマップがどう実現されていくのか、今後も目が離せません。

私も経営者として、彼らの「顧客体験を軸にしたドメイン拡大」の姿勢は大いに参考にしたいと感じた決算でした。

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