【人事総務部通信】10月施行の「カスハラ防止」——社員とお店を守るために企業が今知っておくべき実務対応


安全配慮義務がこれまで以上に強く求められる時代に

皆さん、こんにちは!株式会社虎渓三笑TV 人事総務部です。

秋の気配が深まる10月ですが、今月は人事・労務や店舗運営において非常に重要な法・条例の動きがあります。

それが「カスタマーハラスメント(カスハラ)防止」に向けた対策の強化・義務化の流れです。

東京都をはじめとする自治体で「カスハラ防止条例」が10月から順次施行・強化されており、企業側には「顧客からの不当な要求や悪質な暴言から働く従業員をいかに守るか」という安全配慮義務がこれまで以上に強く求められる時代になりました。

今回は、人事総務部としての視点から「カスハラの基本」と「現場を守る実務対応」について分かりやすく解説します!

1. そもそも「カスハラ」の基準とは?

どこからが「正当なクレーム」で、どこからが「ハラスメント」になるのか?

厚生労働省のマニュアルでは、主に以下の2点がポイントとされています。

  • 要求内容に妥当性があるか(製品やサービスに欠陥があるか)
  • 要求を実現するための手段・態様が社会通念上相当か

たとえば、「商品の不備に対して交換を求める」のは正当な権利です。

しかし、「大声で怒鳴りつける」「長時間の拘束」「土下座の要求」「SNSに顔写真を晒すと脅す」といった行為が伴う場合、それは明確なカスタマーハラスメント(場合によっては脅迫・業務妨害などの犯罪行為)となります。

2. 現場で従業員を守るための「3つの実務ステップ」

「お客様は神様だから」と現場のスタッフ一人に抱え込ませる時代は終わりました。会社として次の3つの体制を整えることが急務です。

① 一人で対応させない「複数対応・引き継ぎ」のルール化

過度な暴言や粘着質なクレームが発生した場合、現場の担当者一人で対応させず、初期段階で店長や上司、人事総務部などの管理職へバトンタッチする(エスカレーションする)フローを徹底します。

② 事実確認のための「記録・録音」の可視化

電話対応時の「通話録音」や、対面接客時の記録用メモ・防犯カメラの設置など、「記録が残っている」こと自体が悪質な言動の防止策になります。

万が一の法的なトラブル時にも強い守りとなります。

③ 毅然とした組織対応とメンタルケア

不当な要求に対しては、無理に応じることなく「これ以上の対応はいたしかねます」と組織として一線を引く対応が必要です。

また、暴言を受けた従業員のメンタルヘルスケア(ヒアリングや相談窓口の提示)を迅速に行うことも会社の重要な義務です。

3. 人事総務部からのアドバイス

接客・販売・飲食などの現場はもちろん、BtoBの営業活動や電話対応にお勧めなのが「社内マニュアルの確認と対応ラインの共有」です。

「どこまでは丁寧に対応し、どこからはお断り(上司へ引き継ぎ)するのか」というラインが社内で共有されているだけで、働くスタッフの心理的安全性は大きく高まります。

労働者が安心して健康に働ける環境づくりこそが、結果としてサービスの質を高め、企業価値を守ることにつながります。

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